ルーマニア・コンスタンツァでの作品展示(2007.9.17) 畑田美智子 私のホームページや大阪市立大学友好会会報に掲載されたガラス作品の写真を見た横浜在住の友人から、横浜市とルーマニア・コンスタンツァ市の友好都市30周年の記念行事の展示会に是非、協力してほしいと依頼を受けた。丁度、ルーマニア行きを予定していたところでもあり、横浜市の行事なので確かなことだろうと参加協力する気になった。ルーマニアは私の作品の素材である被せガラスのルーツであり、今もその技術がヨーロッパでは唯一伝統的に受け継がれ、被せガラスが製作されているところである。
2007年5月17日に日本を出発、ブタペストに2日間滞在した後、コンスタンツァには横浜との友好の記念日5月20日に到着、21日にオペラ座にて作品を展示することになった。展示会の情報がなかなか事前に届かず、何時、何処で展示するか不安を抱えたままで日本を出発したのであった。首都のブカレストは2度目の訪問だが、コンスタンツァは始めてである。黒海では有数の港湾都市で、町の暦史は古く、横浜とよく似た都市ということになる。私は横浜とは直接関係ないが、ルーマニアにはガラスの関係で大変親しみと関心を持っていた。 記念行事イベントの当日は、日本舞踊とフラメンコギターの演奏が国立劇場で開催され、ピアノ演奏とアリア独唱はオペラ座で公演された。同時に私のガラス作品はオペラ座のホワイエにて展示されることになった。ホワイエでは、他にも版画
と折り紙が展示された。ガラス作品は友情出展ということで、花を添えるという趣である。さすがはガラス、特に被せガラスの国である。訪れる人達に被せガラスについて説明する必要は殆どなかった。日本での展覧会では、被せガラスのサンドブラスト作品についていろいろと質問があり、かなり丁寧に説明しないと分かってもらえない。色を塗っているのか、色ガラスを付けているのかなど聞かれて、幾層にも被せられたガラスの色の層を削って作品をつくると説明して理解してもらうことが多い。ルーマニアではエミール・ガレの被せガラスといえば大抵分かってもらえた。日本における漆器のような感覚なのかも知れない。 来場者の層はどちらかといえば年配で富裕層と思われる人達が多く、若者では美術に関心のある学生さんが殆どであった。あまり話しもしないで、じっくりと一人で鑑賞していく人、
売っているのかといろいろ尋ねるご夫婦などの二人連れも居られた。唯、ガラス作品の鑑賞には光線の当て方が重要である。劇場は展示場でないので設備が充分でなく、安全確保のため高いマントルピースの上に展示することとなった。鑑賞する人達からは遠く離れていて、照明がなく、花瓶などにはあまりよい会場とは言えなかったが、作品に対する感想は、「大変面白い。あまり見かけない作品ですね」というのが大方の見方、意見で、ガレ風の作品は見慣れているが、それとは少し異なった作風ということで、彼らにとって珍しく、オリジナル性が感じられるという意見が多かった。 |