よみがえる懐かしき日々  (2006.8.6)

畑田家での木野雅之(バイオリン) ・吉山輝(ピアノ) デュオリサイタルを聞いて

大阪市大今里  松井 喜久子

庭には大きな松の木が歴史を誇り

広く放たれた廊下に陽があふれ

今日は多くの人々が集うよき日

木野雅之+吉山輝のデュオは息の合った絶妙のハーモニー

暗く深い天井に二つの音色は吸い込まれ

まろやかに共鳴し合って木霊(こだま)となり

家の隅から隅へ銀のシャワーとなって降りそそぐ

神童といわれながら栄光と挫折を味わった渡辺茂夫

そして夭折の日本を代表するバイオリニスト貴志康一

彼らの作品はこの日のリサイタルにふさわしい選曲

木樽の中で眠り続けたワインの味わい

熟成された音にしばし酔う

漆黒の大黒柱は一層輝きを増し

梁に集う精霊たちは楽しげに舞う

デュオの音色と幾百年の家の息づかいとのコラボレーション

今日よみがえる懐かしき日々

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