畑田家住宅活用保存会
 
 <English Version>

活動報告(2012年6月16日更新)
出版 ホームページ上でもお読みいただけます(2017年9月23日更新  
畑田家の写真
活動の記録写真(2010年10月22日更新)
庭の草木
文・随想2016年4月13日更新) 
みんなの科学(2014年11月7日更新)クモの糸のヴァイオリン、凄いですよ!
みんなの教育2017年11月20日更新
会員の広場(会員の活動、作品などを写真で紹介します) (2012年6月16日更新)
年報(2017年5月15日更新)
交通 (2009年3月13日更新)
関連リンク2012年4月14日更新
                       2005年4月1日開設     2017年11月20日更新

行事予定2017年11月19日更新)  ホームページからも申し込めます。申し込みはお早めに!

秋の一般公開と歴史フォーラム  2016年11月13日(日) 

世界遺産を目指す古市古墳群成立の歴史背景」 大阪大学大学院文学研究科教授 福永伸哉


春の一般公開と第20回畑田塾 2017年3月19日(日)

『音の世界―日本と西洋の交わり』 箏 吉本純子(菊佳裕純子)ピアノ 吉山輝 声楽 畑田弘美

初夏の街歩き 古代を楽しむ―ぶらり古墳巡り―」 2017年4月23日(日)

秋の一般公開と科学フォーラム  20171112日(日)

「脳とAIとゆらぎ」大阪大学/情報通信研究機構脳情報通信融合研究センター(CiNet)センター長 柳田敏雄

春の特別見学と文学フォーラム  2018年3月18日 (日)

「自分探しの旅をしてみませんか」―科学、音楽、美術を通しての提言―

    大阪大学名誉教授 北山辰樹、関西二期会会員 畑田弘美、宝塚大学非常勤講師 中村貞夫 

登録文化財への登録と保存会の結成
羽曳野市は、大阪府南東部にあり、東半分は羽曳野丘陵上に位置し、応神陵古墳など古市古墳群があって、豊かな歴史と恵まれた自然を持つ人口約12万の住宅・工業都市である。

 畑田家は羽曳野市の西部にある明治期の旧家の趣をよく残している庄屋屋敷である。主屋はつし2階を持つ田の字型平面に座敷がつき、土間の梁架構は古い伝統をよく伝えている。これらに2棟の蔵、長屋門、付属屋、納屋を配した屋敷構えで、平成11年登録有形文化財に登録された。その後、平成20年に、主屋の南側に接続する応接室と仕切塀、東築地塀、南築地塀、西築地塀の5件が追加登録され、合計11件になった。この5件の追加登録は、当家の建築変遷を補強するとともに、主屋を中心とした屋敷構成を明確なものとして、屋敷地全体の歴史的景観保存に貢献するものとして価値がある。(http://www.bunka.go.jp/bsys/参照)

 文化財に登録されたのを期に「文化財を保存し、且つ、その活用を図り、もって国民の文化的向上に資するとともに、世界文化の進歩に貢献すること」という文化財保護法の目的に沿って、建物の文化財としての価値を保持しつつ、これからも新しい文化を生み出し続けるための「活用」の計画として、平成12年春より、羽曳野市と同教育委員会の支援・協力を得て「畑田塾」、一般公開ならびにフォーラムを開始した。

 幸い、活動を開始して半年あまり経った頃に、趣旨に賛同して下さる多くの方々のご理解とご努力で「畑田家住宅活用保存会」(会長 中村貞夫、平成29年9月23日現在、正会員280名、特別会員60名)を結成することができて、活動が軌道に乗った。


会の活動

「畑田塾」は、江戸時代からの文化・歴史を語りかける屋敷の中で、たとえ漠然とではあっても将来のことを考えはじめる小学校高学年から高校の生徒に、いろいろな分野の専門家との対話と学習を通して、将来の道を見つけるきっかけをつかんで貰うのが目的である。この年代の子供の教育には学校だけでなく親や保護者のつくりだす環境が非常に大事であることを考えて、子供と一緒の参加を奨励している。講演して頂いた講師の方々は、ノーベル化学賞 白川英樹、元大阪大学総長 金森順次郎、宮原秀夫、大阪大学副学長 西田正吾、作家 筒井康隆、関西棋院 吉田美香、大阪歴史博物館長 脇田 修、武庫川女子大学教授 糸魚川直祐、東京大学教授 山本智、フォトジャーナリスト 小林正典、前大阪大学総合学術博物館長 江口太郎、大阪大学文学部教授 柏木隆雄、奈良県立医科大学教授 大崎茂芳、ヴァイオリニスト 木野雅之、ピアニスト 吉山輝、関西二期会ソプラノ 畑田弘美、能楽師 山本博通、当会事務局長・畑田家当主 畑田耕一と多彩である。

子供達は、畳敷きの部屋でその道の専門家から親しくお話を聞いて、これまで知らなかった分野、考えてもみなかったことへの関心を呼び起こされる。普通の家の中で話しを聞くことで、その先生を身近に感じることが出来て、互いに心の通い合った良い集まりとなる。また、こわごわ、つし二階に登ったり、床の下を走り回ったりして家の中を探検し、あちこちに無造作に置かれた昔の生活用具や、どの様に使われていたのかよく分からない中二階の小部屋などを見て、この家に暮らしてきた人々の生活様式や風習に思いを馳せ、自分達とは違う時代に生きた人々の文化を学び取っていく。専門家の話は、時には難しすぎることもあるが、小学生は話が難しくて殆ど分からなくても、それが分かるようになるまで内容を記憶しておくという能力を持っている。難しい話も無駄にはならない。
 

    当主の畑田耕一は長年にわたって、小学校、中学校、高等学校への出前授業を専門の高分子科学をはじめとして、科学と道徳、古民家での生活、戦中・戦後の生活などの主題で行なっている。近隣の小学校生徒の畑田家見学と出前授業の組み合わせも好評である。


一般公開とフォーラム:毎年春と秋に行う一般公開とフォーラムには、50名を越える参加者がある。年齢層は広く、古い家や道具への郷愁を覚えつつ昔の文化の良さを確認しておられる方もあれば、昔の風習・生活の工夫を今の時代に生かしていこうという若い方も多い。これからもできるだけ広い層の方々にこの屋敷に接して頂き、建物の新しい魅力や個性を引出して、この畑田家住宅を美しく生かし続けることが出来ればと願っている。

 一般公開の午後に行うフォーラムでは、いろいろと活発な意見交換があり、会の幕引きに困るくらいである。世界11ヶ国から70名の参加を得て開催した「世界の人々と文化を語ろう」、太陽光発電の第一人者で立命館大学副総長の浜川圭弘氏と長年4キロワットの太陽電池を使っている前活用保存会長・現相談役の故畑田勇の講演による、「21世紀のエネルギーを考える」、大阪大学総合学術博物館長肥塚隆の「アフガニスタンの美術―文明の十字路の古代と現代―」、畑田家の納屋をアトリエにして風景画の大作を描き続ける洋画家で宝塚造形芸術大学教授の中村貞夫による「大河を描く―風景画の軌跡―」、前大阪大学総長 鷲田清一の「哲学は面白い、哲学を楽しもう」、岸本忠三の「いのちの不思議」、武者小路千家第14代家元 千宗守の「お茶と日本人の心」など、いずれのフォーラムでも、講演の後参加者全員による熱のこもった議論が1時間を越えて続くのが常である。

当主の畑田耕一が行った「オルゴールを楽しむ集い」では、シリンダーオルゴールの繊細で音域の広い音色が、家中に広がり、古い木の家の良さをあらためて実感させてくれた。その後に行われた、畑田弘美と吉山輝の「懐かしい日本の名曲とショパンの調べ」や「木野雅之・吉山輝デュオリサイタル」、「野津臣貴博・吉山輝デュオリサイタル」などの音楽会では、いつも、古い木の家と見事に融合した素晴らしい演奏が多くの聴衆を魅了している。

出版:塾やフォーラムの内容の一部は小冊子として出版するとともに、このホームページでも公開している。第一作は前記の肥塚隆「アフガニスタンの美術」、第二作は畑田耕一「古い日本住宅に見られる生活の工夫」である。現在、第十二作「クモの糸でヴァイオリンは弾ける?」まで出版されている。また、第13番目の出版「むかしの家に学ぶ―登録文化財からの発信」は阪大リーブルNo52として大阪大学出版会から出版された、続く第14番目の出版「双方向授業が拓く日本の教育ーアクティーブラーニングへの期待」は大阪公立大学共同出版会から2017年3月に出版された。