中村貞夫画伯の年報の表紙絵を年報の番号順に収録しております。

長屋門

年報No. 1の表紙のカットに長屋門を選んだ。バランスの良い優れた建築物だと、日々感心している。門の内側の庭の方からの佇まいは、民家にはめずらしい木組みなども見られて好きなのだが、絵は表側から描いた。

主屋の西側の壁面

神戸の震災の少し前に主屋の屋根瓦の葺き替えをした際に、この壁の複雑なデザインを残せなくて、簡略化したものになった。屋敷内の写真は沢山あるのだが、こちら側の以前の様子を窺えるものが残っていないのは残念だ。

土間の梁

玄関の土間に立って見上げると太い梁が縦横に走っている。その木組みは見事と言う他はない。永年に渉って磨きこまれた木の艶が薄明かりに浮かび上がっている。

納屋

納屋の北側は中庭に面している。主屋の廊下から眺めると心が安らぐような雰囲気がある。元々は土間だったのだが床を張ってアトリエとして使わせていただいている。

水仙

No. 5から庭の植物をシリーズで描くことにした。寒さに耐えて咲く水仙を見ると心が洗われるような気がする。20年位前の下手な句。

水仙を描くことなく昨日今日

椿

鮮やかな赤と緑の補色に惹かれて、庭の椿を何度かパステルで描いたことがある。門屋のそばの白い斑点のある椿、中庭のピンクの八重と濃い赤色の木、裏庭の藪椿が今年も変わらぬ色合いで咲いている。

子供の頃から私が一番好きな果物は柿である。郡戸のこの屋敷の柿は特別おいしい。いつか友人に差し上げたら、昔の味がすると喜んで下さった。葉に虫がつくので、その度に薬を散布するのは悩ましい問題である。

紫式部 

小粒の紫の実のあざやかさは人の心を和らげるものがあります。この年は彼岸花と時を同じくしてスケッチしました。元、植えた場所のものは立ち枯れて、鳥が実を運んだのでしようか、別な場所へ移って、元気に実を付けています。

彼岸花

強い朱色、デリケートな線と形を敬遠して来ましたが、納屋の裏側に群生している彼岸花をスケッチしてみました。近年、不順な天候ですのに、彼岸のころに時を合わせて咲くのは不思議です。



庭の梅が一輪咲いた。老木なのだが春分の日に合わせて開いたのが嬉しい。柔らかい香りを楽しむ。

梅の実

庭の梅が実を付けた。久方ぶりのことで、数えてみると20程あった。花を描いたのは度々あるが、実は初めてである。


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