(1)市販体脂肪率計を利用する体脂肪規定因子の推測と体脂肪率の推定(2007.9.24) 福井工業大学工学部 畑田耕一、森安貴信、能見直樹、福永隆光 この研究は、家庭用の体脂肪率計で測定した体脂肪率の値の精度を調べるとともに、体脂肪率と身長、体重、年齢、ウエスト周囲径ならびにヒップ周囲径との関係を詳しく調べて、体脂肪率計が無くても体脂肪率を推定することの出来る数式を作成したものです。論文は少々長いですが、時間の余裕のある方は是非ここをクリックしてPDFファイルを開いてお読み下さい。 <要旨> インピーダンス法による体脂肪率測定値の精度(5回測定の平均値に対する標準偏差の百分率で表示)を一人の被験者について同時に5回測定する方法で、詳細に調べた。その結果、同一の体脂肪計による体脂肪率測定の精度は1%以内であり、女性の方が男性よりも若干バラツキが小さいことが分かった。同一の被験者の体脂肪率を数種類の体脂肪計を用いて測定したときのデータの差異は体脂肪率の実測値で3〜4%に及ぶかなり大きな値であった。 身長(m)、体重(kg)、年齢、ウエスト周囲径(m)ならびにヒップ周囲径(m)の値から、体脂肪率を推定する式を、重回帰分析により作成し、体脂肪を規定する身体測定項目の重要度を推定した。また、ウエスト周囲径とヒップ周囲径、あるいは、腕の周囲径(cm)からも体脂肪率の推定が可能であった。特に、前2者からの体脂肪率の推定はかなりの正確度で可能であった。 数日間のような短時間内の体脂肪率計による体脂肪率の測定値の変動は主として水分の変動ならびに手や足の表面の水分の状態によるものであることが分かった。一方、特定の個人が長期にわたって測定した体脂肪率の値の変化は、その約70%が水分の変動によるものであり、残り30%が脂肪の変動によるものであると考えられる。 |