畑田家住宅活用保存会
【更新】みんなの教育に右の文書をアップしました(2020.6.25)。 「豊中ロータリークラブ教育フォーラム「何でもしゃべれる道徳の時間」を終えて」
【更新】みんなの科学に右の文書をアップしました(2020.6.14)。 「魚との知恵比べ」~親子で挑んだ釣り日記~」
【更新】文・随想に右の文書をアップしました(2020.5.14)。 「話し言葉と書き言葉」  「今さら人にきけないこと」
【更新】みんなの教育に右の文書をアップしました(2019.9.13)。 「AIと教育 ― 道徳と四つのテストに照らして」
【更新】 みんなの教育に右の文書をアップしました(2019.7.29)。 「高校生とAIを語る」

畑田家当主、畑田耕一は社会活動の一環として豊中ロータリークラブに所属し、奉仕活動を行っています。以下は、最近ロータリークラブに入会された市立豊中病院総長、吉川秀樹氏より寄せられた文です。

ロータリークラブに入会して

 市立豊中病院総長     吉川秀樹     

  令和元年9月1日、豊中ロータリークラブに入会いたしました。大阪大学医学部に在職中には、秋のロータリー青少年指導者養成プログラム(RYLA)での講演や千葉県の八千代ロータリークラブでの卓話を行った経験はありましたが、ロータリアンになったのは初めてです。入会前に、ロータリークラブに対して持っていたイメージは、「様々な職業分野で成功した方々(経営者、医師、学者、弁護士など)、ある程度、金銭的余裕、時間的余裕のある方々が、業種を超えて交流し、親睦を深め、自らをさらに高める集まり」、「自分の為ではなく、自分以外の人の為、ひいては社会の為に奉仕活動や寄付活動を行う集まり」という漠然とした感じでした。父親は、ライオンズクラブに所属しており、私も小学生の頃、家族会などにも参加し、楽しかった思い出があります。ライオンズクラブに対するイメージもロータリークラブと同様で、両者の違いは、今もよくわかっておりません。
  実際に、ロータリークラブに入会して感じましたことは、会員の交流、親睦はイメージ通りでしたが、それに加え、職業奉仕、社会奉仕、国際奉仕、青少年奉仕などの様々な奉仕活動を思っていた以上に行っていることがわかりました。多くの素晴らしい活動実績があるにも関わらず、入会するまで自分は、ほとんど何も知らなかったのが事実で、大変残念です。一例としては、町には、「○○ライオンズクラブ寄贈」と明記された設置物をよく見かけますが、「○○ロータリークラブ寄贈」は、見たことがありません。寄付行為や社会貢献は、「人に知らせるものではなく、天が知っていればよい」という、高邁な理念が、ロータリークラブにはあるのかなと感じます。個人的には、この東洋的な「陰徳」という考え方を好みますが、一方では、「良い行いは、良い行いを生む」という波及効果も重要ではないかと思います。特に、近年の多くの若者は、人に言われなければ気が付かないという傾向があるからです。人に言われると、その価値に気づく若者もいます。時代は変化してきています。奉仕活動を宣伝して、「行いを認めてもらう」という目的ではなく、「素晴らしい行いを、まだ知らない人に知っていただき、連鎖反応を生み、社会を良くして行く」という広報活動も、今後のロータリークラブには必要ではないかと考えています。


春の一般公開とフォーラム延期のお知らせ
    (2021/2/8)
 新型コロナビールスの感染の収束がいまなお見通せないことに鑑み、2021年3月14日の畑田家一般公開と文化財フォーラムを延期させていただくことになりました。今回の一般公開、フォーラムを楽しみにお待ちいただいておりました皆様方にはまことに申し訳ございませんが、ご理解くださいますようお願い申し上げます。
【延期】 秋の一般公開と文学フォーラム    2021年3月14日(日) (未定)
 「文化財の保存・活用とその問題点を考える」
      大阪府教育庁文化財保護課副主査  神谷悠美
活動報告(2012年6月16日更新)
出版 ホームページ上でもお読みいただけます(2018年7月11日更新  
畑田家の写真
活動の記録写真(2010年10月22日更新)
庭の草木
文・随想(2020年5月14日更新) 
みんなの科学 (2020年6月14日更新)
みんなの教育2020年6月25日更新
会員の広場(会員の活動、作品などを写真で紹介します) (2012年6月16日更新)
年報(2019年5月15日更新)
交通 (2009年3月13日更新)
関連リンク2012年4月14日更新
ビデオリンク
                 2005年4月1日開設     2019年9月13日更新

行事予定2020年3月24日更新)  ホームページからも申し込めます。申し込みはお早めに!
【延期】春の一般公開と科学フォーラム   2020年3月15日(日) (未定)
 「ガラスの科学を考える」
                                   大阪府立大学名誉教授  南 努
【延期】初夏の一般公開と生命機能フォーラム   2020年5月31日(日)
 「疾患と老化に対抗する細胞の働き・オートファジーの謎を解く」
    〜ノーベル賞の大隅先生と挑んだ22年〜   大阪大学生命機能研究科教授 吉森 保

【延期】秋の一般公開と文学フォーラム    2020年11月15日(日)  
  「古市古墳群を学ぼう!」―峯ヶ塚古墳の成果を中心に
          羽曳野市教育委員会生涯学習室文化財保護課課長事務取扱参事  吉澤則男

【延期】春の一般公開と文化財フォーラム  2021年3月14日(日) 
  「文化財の保存・活用とその問題点を考える」
           大阪府教育庁文化財保護課副主査  神谷悠美 

初夏の一般公開と命のフォーラム  2021年5月16日(日)    
  「ゲノム編集は人類の未来を変えるか?」
            群馬大学生体調節研究所教授  畑田出穂      

登録文化財への登録と保存会の結成
羽曳野市は、大阪府南東部にあり、東半分は羽曳野丘陵上に位置し、応神陵古墳など古市古墳群があって、豊かな歴史と恵まれた自然を持つ人口約12万の住宅・工業都市である。

 畑田家は羽曳野市の西部にある明治期の旧家の趣をよく残している庄屋屋敷である。主屋はつし2階を持つ田の字型平面に座敷がつき、土間の梁架構は古い伝統をよく伝えている。これらに2棟の蔵、長屋門、付属屋、納屋を配した屋敷構えで、平成11年登録有形文化財に登録された。その後、平成20年に、主屋の南側に接続する応接室と仕切塀、東築地塀、南築地塀、西築地塀の5件が追加登録され、合計11件になった。この5件の追加登録は、当家の建築変遷を補強するとともに、主屋を中心とした屋敷構成を明確なものとして、屋敷地全体の歴史的景観保存に貢献するものとして価値がある。ついで平成29年3月27日、羽曳野市を代表する民家建築のひとつと評価できることから、羽曳野市指定文化財(建築物)に指定され現在に至っている。

 文化財に登録されたのを期に「文化財を保存し、且つ、その活用を図り、もって国民の文化的向上に資するとともに、世界文化の進歩に貢献すること」という文化財保護法の目的に沿って、建物の文化財としての価値を保持しつつ、これからも新しい文化を生み出し続けるための「活用」の計画として、平成12年春より、羽曳野市と同教育委員会の支援・協力を得て「畑田塾」、一般公開ならびにフォーラムを開始した。

 幸い、活動を開始して半年あまり経った頃に、趣旨に賛同して下さる多くの方々のご理解とご努力で「畑田家住宅活用保存会」(会長 [初代] 畑田 勇、[二代] 中村貞夫、[現] 畑田出穂、平成31年3月31日現在、正会員264名、特別会員65名)を結成することができて、活動が軌道に乗った。

会の活動

「畑田塾」は、江戸時代からの文化・歴史を語りかける屋敷の中で、たとえ漠然とではあっても将来のことを考えはじめる小学校高学年から高校の生徒に、いろいろな分野の専門家との対話と学習を通して、将来の道を見つけるきっかけをつかんで貰うのが目的である。この年代の子供の教育には学校だけでなく親や保護者のつくりだす環境が非常に大事であることを考えて、子供と一緒の参加を奨励している。講演して頂いた講師の方々は、ノーベル化学賞 白川英樹、元大阪大学総長 金森順次郎、宮原秀夫、大阪大学副学長 西田正吾、作家 筒井康隆、関西棋院 吉田美香、大阪歴史博物館長 脇田 修、武庫川女子大学教授 糸魚川直祐、東京大学教授 山本智、フォトジャーナリスト 小林正典、前大阪大学総合学術博物館長 江口太郎、大阪大学文学部教授 柏木隆雄、奈良県立医科大学教授 大崎茂芳、ヴァイオリニスト 木野雅之、ピアニスト 吉山輝、関西二期会ソプラノ 畑田弘美、能楽師 山本博通、畑田家当主 畑田耕一と多彩である。

子供達は、畳敷きの部屋でその道の専門家から親しくお話を聞いて、これまで知らなかった分野、考えてもみなかったことへの関心を呼び起こされる。普通の家の中で話しを聞くことで、その先生を身近に感じることが出来て、互いに心の通い合った良い集まりとなる。また、こわごわ、つし二階に登ったり、床の下を走り回ったりして家の中を探検し、あちこちに無造作に置かれた昔の生活用具や、どの様に使われていたのかよく分からない中二階の小部屋などを見て、この家に暮らしてきた人々の生活様式や風習に思いを馳せ、自分達とは違う時代に生きた人々の文化を学び取っていく。専門家の話は、時には難しすぎることもあるが、小学生は話が難しくて殆ど分からなくても、それが分かるようになるまで内容を記憶しておくという能力を持っている。難しい話も無駄にはならない。

    当主の畑田耕一は長年にわたって、小学校、中学校、高等学校への出前授業を専門の高分子科学をはじめとして、科学と道徳、古民家での生活、戦中・戦後の生活などの主題で行なっている。近隣の小学校生徒の畑田家見学と出前授業の組み合わせも好評である。

一般公開とフォーラム:毎年春と秋に行う一般公開とフォーラムには、50名を越える参加者がある。年齢層は広く、古い家や道具への郷愁を覚えつつ昔の文化の良さを確認しておられる方もあれば、昔の風習・生活の工夫を今の時代に生かしていこうという若い方も多い。これからもできるだけ広い層の方々にこの屋敷に接して頂き、建物の新しい魅力や個性を引出して、この畑田家住宅を美しく生かし続けることが出来ればと願っている。

 一般公開の午後に行うフォーラムでは、いろいろと活発な意見交換があり、会の幕引きに困るくらいである。世界11ヶ国から70名の参加を得て開催した「世界の人々と文化を語ろう」、太陽光発電の第一人者で立命館大学副総長の浜川圭弘氏と長年4キロワットの太陽電池を使っている元活用保存会長・相談役の故畑田勇の講演による「21世紀のエネルギーを考える」、大阪大学総合学術博物館長肥塚隆の「アフガニスタンの美術―文明の十字路の古代と現代―」、畑田家の納屋をアトリエにして風景画の大作を描き続ける洋画家で宝塚造形芸術大学教授の中村貞夫による「大河を描く―風景画の軌跡―」、元大阪大学総長 鷲田清一の「哲学は面白い、哲学を楽しもう」、同 岸本忠三の「いのちの不思議」、武者小路千家第14代家元 千宗守の「お茶と日本人の心」など、いずれのフォーラムでも、講演の後参加者全員による熱のこもった議論が1時間を越えて続くのが常である。

当主の畑田耕一が行った「オルゴールを楽しむ集い」では、シリンダーオルゴールの繊細で音域の広い音色が、家中に広がり、古い木の家の良さをあらためて実感させてくれた。その後に行われた、畑田弘美と吉山輝の「懐かしい日本の名曲とショパンの調べ」や「木野雅之・吉山輝デュオリサイタル」、「野津臣貴博・吉山輝デュオリサイタル」などの音楽会では、いつも、古い木の家と見事に融合した素晴らしい演奏が多くの聴衆を魅了している。

出版塾やフォーラムの内容の一部は小冊子として出版するとともに、このホームページでも公開している。第一作は前記の肥塚隆「アフガニスタンの美術」、第二作は畑田耕一「古い日本住宅に見られる生活の工夫」である。現在、第十二作「クモの糸でヴァイオリンは弾ける?」まで出版されている。また、第13番目の出版「むかしの家に学ぶ―登録文化財からの発信」は阪大リーブルNo.52として大阪大学出版会から出版された。続く第14番目の出版「双方向授業が拓く日本の教育ーアクティーブラーニングへの期待」は大阪公立大学共同出版会から2017年3月に出版された。